タカノフーズ

国内のどこかに まだまだ優良な菌が 存在しているような 気がしています 研究所 田谷有紀

納豆菌はすべて自社オリジナルその数なんと2000種類

2000以上の納豆菌がストックされている。

「菌のストックは現在2000 種類を超えました。すべて自社で収集したオリジナルの菌なんです。」
研究所の一室で、田谷は穏やかに微笑みながらそう言った。納豆菌は枯草菌の一種で、稲のわらに付着しているという。糸引納豆は、この納豆菌が煮豆に偶然作用してできたと言われている。


生育状態や種類によって菌のパターンが異なる。

さまざまな環境にある枯れ草などを収集することで、さまざまな種類の納豆菌をそこから採取することができる。研究所では、収集したこれらの菌を培養して性質を分析するといった地道な研究を日々行っている。2000 もの納豆菌の性格を把握するコツを聞いてみた。
「菌の性格を一度や二度の試作だけで判断することはできません。商品の開発目的に合わせて、評価するべき納豆菌の性質や特徴は違ってきます。その都度調べた性質が研究者によって追加され、蓄積されていきます。だから、菌の性質はすべて把握し切れているわけではなく、日々少しずつ明らかにされている、というのが正しいですね。だからこそ発見があっておもしろいんです。」

納豆菌の性質はさまざまバランスの良さが大切

商品開発の際に上がってくる菌への要望はさまざま。においを少なくしたい、粘りを強くしたい、食感をやわらかくしたい…。こうした要望は、素人目にはそれほど困難な要望ではないように思えるが…。
「例えばにおいを少なくする場合、1つのにおい成分だけを少なくしてもにおいのバランスが崩れがちです。他のにおいが目立つようになり、納豆らしさにマイナスに働いてしまうことがあります。本来の糸や味、食感に影響を与えずに、においだけをコントロールするというのは実は難しい課題なんです。」
また、納豆菌の持つ酵素の働きによって、うま味や不快感も変わってくる。味の伝わり方は粘りや食感とも関わりがある。菌の持つ特徴のバランスが少しでも崩れると、おいしい納豆はできなくなってしまう。菌の評価は、総合的評価が大切なのである。

納豆菌の酵素が大活躍した「発酵コラーゲン納豆」

納豆菌の性質による発見から生まれた商品もある。「発酵コラーゲン納豆」がそうだ。この商品は、納豆菌の持つ酵素がコラーゲンを分解し、吸収率の良いペプチド状態になるという発見がもとで商品化された。

納豆菌の顕微鏡写真を手にして。「菌の分布バランスがきれいでお気に入りの1枚です」

「開発にあたっては、菌のストックの中でも、より分解力の高い菌を探し出して使いました。」
納豆菌でコラーゲンを低分子化させるというこの技術は、タカノフーズが特許を取得した独自の方法である。大豆を発酵させるという役割だけでなく、より積極的に納豆菌の性質を利用した商品として、「発酵コラーゲン納豆」は画期的な商品となった。
※特許第3737822 号

2000種類の菌では満足できないことも菌探しの旅はまだまだ続く

「よろしくお願いします、頑張ってね」 「国内のどこかに、まだまだ優良な菌が存在しているような気がしています」
2000 種類もの菌が既にストックされているというのに、まだ足りないというのだろうか?
「そうですね、商品コンセプトや目標品質に合わせて菌を選んでいますが、ストックの中にこれだという菌がない場合は、新たな菌探しから始めます。妥協は絶対に許されませんから。」
そしてもうひとつ、研究者にとって大切な仕事がある。それは、既存の菌を維持していくこと。
「菌の性質が変わらないように維持していくことも大切な仕事です。先月に比べて菌が粘りを作らなくなった、なんてことになったら大変ですから」
膨大な量の菌の維持と新しい菌の追求。納豆菌に対してよほどの愛情がないとできない仕事である。
「商品製造のため、菌がいよいよ工場出荷されるときは、納豆に向かって声をかけるんです。よろしくお願いします、頑張ってね、と。」

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