タカノフーズのあゆみ

2006 2008 生産体制の見直しと納豆・豆腐の新たな創造・研究開発

平成18(2006)年7月、日銀は景気を刺激するために行ったゼロ金利政策を解除しました。その直後の平成19年、アメリカのサブプライムローン問題が発生。翌年9月には、アメリカの証券会社リーマンブラザーズ社が経営破綻、金融危機が世界的に拡大しました。リーマンショック後の日本経済は、世界的な金融危機がもたらしたグローバルな信用収縮と実体経済悪化の影響により、戦後最悪の景気失速の局面を迎えました。個人消費は、所得が低迷する中、生活防衛意識に基づく低価格志向が強まり、企業間の価格競争は激しさを増しました。

またこの時期、食品偽装をはじめ、企業の不祥事が相次ぎ、納豆業界においては、平成19年1月にテレビ放送による納豆騒動が起こりました。納豆の機能性をアピールした構成であったため、放映翌日には店頭から納豆が消える結果に。当社へも生産キャパの3倍もの発注があり、混乱の状態が2カ月も続きました。

しかし、番組の内容偽装が発覚すると社会問題となり、その後メディアにおいて納豆の話題・報道などを控える動きが広がりました。この出来事により、それまで業界に追い風であった納豆の健康への機能性に関する話題が失われ、消費量が低迷していくこととなります。平成20年には、三笠フーズ㈱の事故米不正転売事件が発覚。また、中国製の餃子食中毒事件が発生するなど、国民の食品の安心・安全にかかわる関心がさらに深まり、食品業界にとってなおさら社会的責任が問われた時期でした。

こうした状況下、当社は市場規模に見合った生産体制の見直しを実施し、平成18年1月には40有余年の歴史ある霞ケ浦工場を閉鎖。同年5月に納豆生産委託工場での生産を一部中止しました。平成18年3月、市町村合併により、本社住所表記を「茨城県小美玉市野田1542」に変更。同年4月、WMS(倉庫管理システム)が稼働。また、翌19年11月には豆腐開発研究所(栃木県真岡市)が完成し、おいしい豆腐作りの研究体制が整いました。

  • 豆腐開発研究所外観
  • ミニプラントと研究風景

納豆においては、女性開発委員会が発足し、納豆菌の作用を生かした女性にうれしい「発酵コラーゲン納豆」を平成18年3月に発売。また平成19年9月には、業界では納豆に向かないとされていた中粒大豆を使用した「国産中粒納豆」を発売。ふっくら炊き上げた国産中粒大豆に、香り高いかつおだしのたれが受け大ヒット商品となり、業界における新たなカテゴリーを築きました。この期間、豆腐においても大手スーパーとの新規取引を開始した影響などにより、「おかめ豆腐」の出荷数量は伸びました。

平成18年9月にできたての豆腐のコクと甘み、まろやかさを再現した「できたて風味豆腐」を発売。平成20年5月には、「国産ツインパック豆腐」を発売しました。また、平成19年4月からホームページのリニューアルを実施、今までのお客様が必要とする情報やその関連情報に、よりアクセスしやすく、より身近に感じていただくことを目的に、コンテンツ面の充実やユーザーインターフェースの改善を行いました。同年7月、これまでタカノフーズが歴史の中で大切にしてきた、仕事に対する考え方や取り組む姿勢を「おかめウェイ」として集約し明文化しました。

  • 納豆の機能性を生かした「発酵コラーゲン納豆」「国産中粒納豆」「ふわりん」「国産ツインパック豆腐」「できたて風味豆腐」
  • リニューアルされたホームページ(平成19年)
  • 仕事への取り組み方をまとめた「おかめウェイ」

平成20年5月に、水戸第二工場にてISO9001認証を取得、以後納豆全工場に拡大し、顧客満足度の向上に全社一丸となって取り組むシステムを構築しました。